いつかGlasgowで朝食を

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悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界を読みました

最近読んでおもしろかった本について書きます。今回紹介するのは、ダークツーリズムという世界遺産や観光名所が持つ影の歴史に焦点をあてて書いた「悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界」という新書です。

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私がこの本を読み始めたきっかけは、悲劇の世界遺産というタイトルに惹かれたからです。最近世界史を学びたい欲が出てきており、この本は世界史や世界遺産についてまた別の視点からの見方を与えてくれる1冊です。

この本の内容をざっくりいうと、いまある世界遺産がそれぞれ持っている歴史は、光り輝く良い歴史ばかりではないよね。戦争や災害、過去の人類の過ちという負の側面を歴史として持つ遺産は当然存在するし、ヨーロッパ人から見てみると遺産というのは光と闇の歴史の両側面を持っていて当然と考えています。

では、日本はどうだろうか。最近は観光客誘致目的で世界遺産を登録する動きが出てきているけど、産業遺産や日本の歴史とゆかりのある場所について、明るい歴史にだけ焦点を当てていないか?負の歴史部分を隠そうとしていないか?などと、改めて世界遺産の登録目的および立ち位置などをダークツーリズムという観点で考えなおしています。

ダークツーリズムとは、災害被災跡地、戦争跡地など、人類の死や悲しみを巡る観光のことを定義します。

私たちが、「ダークツーリズム」と聞いて最初に思い浮かぶのは、やはりアウシュビッツ強制収容所やチェルノブイリ原発事故かもしれません。近年ではウクライナ政府もチェルノブイリ原子力発電所の観光ツアーに力を入れているようです。本書の冒頭でも、アウシュビッツとポーランドにあるクラクフという街を取り上げています。

日本からは、長崎の潜伏キリシタンについても書かれています。歴史の教科書で習った世界遺産たちにも、登録された理由やその遺産が持つ負の歴史など「世界遺産すごい!」という単純なものの見方から観る目を変えてくれる本でした。

これからこの本を読んでみようと思っている方は、ぜひ世界遺産検定や世界史の本と合わせて読んでみてください。 相互に内容が関連しあってさらにダークツーリズムについて知ることができます。

今週のお題「読書の秋」